Claudeに問う「DXレポートについて解説してください」

システム開発の問題

DXレポートとは

DXレポートとは経済産業省が日本のIT業界の課題について、纏めたレポートで、2018年に公表されたものです。
この中で、「2025年の崖」という様々な課題が臨界点を向かえると予想されるタイムリミットが予言されています。
DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~

2025年と言えば来年です。今の日本にどんな危機が迫っているのか、改めて6年前の経産省の指摘と予言を復習してみましょう。

Claudeに問う

DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
について、解説してください。

この報告書は、2025年に予想されるレガシーシステムの問題に対処するための指針と、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを促進するための提言をまとめたものです。

主な内容は以下の通りです。

  1. 2025年の「ITシステムの崖」問題
  • 2025年に制作から20年以上経過したレガシーシステムが集中的に老朽化する
  • システム障害の増加やサポート難民の発生が危惧される
  1. 「IT技術者の2025年の崖」問題
  • ITエンジニアの大量退職に伴う技術者不足が予想される
  1. 企業のDXの遅れに対する問題意識
  • 業務プロセスの見直しや最新技術の活用が不十分
  1. DXの本格導入に向けた提言
  • DX推進のためのロードマップ作成と予算確保の必要性
  • デジタル人材の育成と確保の重要性
  • オープンイノベーションの促進

政府は、この報告書を受けて企業のDX支援策を検討する予定だと記載されています。

1. 2025年の「ITシステムの崖」問題
 について、詳しく解説してください。

はい、2025年の「ITシステムの崖」問題について詳しく解説します。

この問題は、主にレガシーシステムの老朽化に起因するものです。

1990年代後半から2000年代前半にかけて多くの企業がシステム投資を行い、現在運用されているシステムの多くがこの時期に構築されました。これらのシステムは耐用年数20年程度とされており、2025年前後に一斉に寿命を迎えることが予想されています。

具体的な問題点は以下の通りです。

  • システムリソースの確保が困難に 旧式のハードウェア、OSやミドルウェアのサポート終了に伴い、システム運用が困難になる恐れがある
  • システム障害の増加 バージョンアップや修正対応が難しくなり、障害が増加する可能性がある
  • スキルのサポート難民化 レガシーシステムを扱えるベテランエンジニアの退職による技術の伝承が難しくなる
  • 経年劣化対策コストの増大 老朽化に伴うコストがかさむ

こうした問題が発生すれば、企業の事業継続に重大な支障が出るリスクがあります。そのため、この「2025年の崖」問題への対策が喫緊の課題となっているのです。

2. 「IT技術者の2025年の崖」問題
 について、詳しく解説してください。

はい、「IT技術者の2025年の崖」問題について詳しく説明します。

この問題は、団塊の世代に当たるベテランITエンジニアの大量退職に伴う深刻な人材不足が懸念されていることに起因しています。

具体的には、以下のような点が危惧されています。

  1. ベテランエンジニアの大量退職 2025年前後に、1960年代生まれのベテランITエンジニアが60代後半に達し、大量の退職が見込まれる。
  2. レガシーシステムのスキル継承が困難に 退職するベテラン層がレガシーシステムを支えてきた中核を担っていたため、後継者への技術継承が困難になる恐れがある。
  3. 新規人材の確保・育成が追いつかない IT人材需要の高まりに対し、新規参入が十分に追いつかず、慢性的な人材不足が深刻化する可能性がある。
  4. 新旧システム移行作業への人材不足 レガシーシステムからの移行期に、スキルを持つ人材が絶対的に不足する恐れがある。
  5. 労働コストの上昇 人材不足に伴い、エンジニアの高年齢化が進み、労働コストが上昇する恐れがある。

このように、高度IT人材の絶対量の不足とスキル継承の課題が重なり、2025年前後に大きな人材不足が生じると危惧されているのです。

3. 企業のDXの遅れに対する問題意識
 について、詳しく解説してください。

企業のDXの遅れに対する問題意識について詳しく説明します。

この報告書では、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが遅れていることが指摘されています。その背景には以下のような課題があると分析されています。

  1. 業務プロセスの見直しが不十分 多くの企業で紙ベースや対面での業務プロセスがそのまま残っており、デジタル化による業務改革が不十分である。
  2. 最新のデジタル技術の活用が遅れている AI、IoT、クラウドなど最新のデジタル技術の活用が進んでいない。特に中小企業におけるIT投資が停滞している。
  3. デジタル人材が不足 デジタル化を推進できる人材が不足しており、データ分析力や最新技術の習得が課題となっている。
  4. デジタルリテラシーが低い 経営層を含む社員全般のデジタルリテラシーが低く、DXの重要性に対する認識が不足している。
  5. DXへの投資が不十分 DXを本格的に進めるための中長期的な計画立案やDXへの先行投資が不十分である。

こうした課題から、日本企業はDXの潮流に乗り遅れ、競争力の低下につながるのではないかとの危機感が高まっているとされています。

4. DXの本格導入に向けた提言
 について、詳しく解説してください。

DXの本格導入に向けた提言について詳しく説明します。

この報告書では、企業がDXを本格的に導入していくための具体的な提言がなされています。主な提言は以下の通りです。

  1. DX推進のためのロードマップ作成と予算確保 中長期的なDX推進計画の立案と、それに基づく継続的な予算確保が必要である。
  2. デジタル人材の育成と確保 社内外から最新のデジタル技術を活用できる人材を計画的に育成・確保することが重要。データサイエンティストやITアーキテクトなどの専門人材に加え、デジタルリテラシーを持つ経営層の確保も求められる。
  3. オープンイノベーションの促進 DXの推進には、単独企業の取り組みだけでは限界がある。スタートアップ企業等との連携によるオープンイノベーションが有効である。
  4. 業務プロセスの抜本的見直し
    従来の業務プロセスに捉われず、デジタル技術を前提とした業務の抜本的な見直しが不可欠である。
  5. セキュリティ対策の強化 デジタル化に伴い、サイバー攻撃などのリスクが高まるため、セキュリティ対策を強化する必要がある。
  6. 規制改革の推進 DXを阻害する規制の見直しや新技術に対応した規制整備などの規制改革を進める。

このように、戦略的な計画、人材育成、オープンイノベーション、業務改革などの多角的な取り組みを提言しています。

現時点(2023年)のIT業界の状況から考えて、
1.の 2025年の「ITシステムの崖」問題は、2025年までに克服できると思われますか。

現時点(2023年)のIT業界の状況から見ると、2025年の「ITシステムの崖」問題を2025年までに完全に克服することは非常に難しいと考えられます。

その理由は以下の通りです。

  1. 対応の遅れ この問題への対応が遅れており、多くの企業がまだレガシーシステムの刷新計画を立てきれていない状況にあります。システム刷新には多大な時間とコストがかかるため、2025年までの対応は困難です。
  2. 人材不足 レガシーシステムを扱える技術者が既に不足している上、新規人材の確保・育成も進んでいません。人材面での制約が大きな障害となっています。
  3. 予算の制約 コロナ禍の影響でIT投資予算が削減された企業も多く、システム刷新に十分な予算を確保できていない企業が多数あります。
  4. プロジェクトの長期化 大規模システムの刷新プロジェクトは複雑で長期化しがちです。2025年までに完了するのは難しい案件も多いでしょう。

このように、対策の遅れや人材、予算、プロジェクト期間の問題から、2025年までの完全な対応は極めて困難な状況にあります。一部のシステムについては刷新できるかもしれませんが、多くの企業がレガシーシステムを抱える「2025年の崖」そのものは避けられないと考えられます。引き続き、中長期的な取り組みが必要不可欠な課題だと言えるでしょう。

現時点(2023年)のIT業界の状況から考えて、
2.の「IT技術者の2025年の崖」問題は、2025年までに克服できると思われますか。

現時点(2023年)のIT業界の状況から判断すると、「IT技術者の2025年の崖」問題を2025年までに完全に克服することは非常に難しいと考えられます。

その理由は主に以下の点にあります。

  1. 人材の世代交代の遅れ ベテラン技術者の大量退職が目前に迫っているにもかかわらず、後継人材の育成が十分に進んでいない状況にあります。技術継承が間に合わない恐れがあります。
  2. 新規人材の確保・育成の遅れ IT人材需要は高まっているものの、教育機関での人材育成が追いついていません。特にレガシースキルを持つ人材が慢性的に不足しています。
  3. 処遇の問題 IT技術者の処遇が他先進国と比べて劣っており、若手のIT業界離れが止まらない状況にあります。
  4. ベンダーロックインの影響 特定ベンダーのシステムに長年依存していたため、そのスキルに特化した人材が偏在している問題があります。
  5. 人材の地域偏在 IT人材が一部の大都市圏に集中しており、地方での人材確保が難しい状況にあります。

こういった人材面での構造的な課題が存在する中で、2025年までの短期間で根本的な解決は難しいと考えられます。 むしろ、中長期的な人材育成と働き方改革による定着促進が不可欠と言えるでしょう。 ただし、一時的な対症療法として、外国人材の受け入れ拡大や高齢技術者の再雇用なども検討する必要があるかもしれません。

現時点(2023年)のIT業界の状況から考えて、
3.の「企業のDXの遅れに対する問題意識」は、克服できそうですか。
そもそも問題意識は充分に育っているのでしょうか。

現時点(2023年)における企業のDXの遅れに対する問題意識については、一部の大手企業では相当程度高まってきているものの、中小企業を含めた全体としては、まだ十分とは言えない状況だと考えられます。

大手企業においては、以下のような点から、DXの重要性への問題意識は高まってきていると言えます。

  • コロナ禍でデジタル化の遅れが露呈し、危機感が高まった
  • デジタル人材確保の重要性が経営課題となってきた
  • DXが競争力の源泉となるとの認識が経営層で広がってきた
  • DXリーダーの設置やデジタル部門の新設などの体制整備が進んだ

一方で、中小企業においては以下の課題があり、問題意識がまだ十分とは言えません。

  • ITリテラシーの低さや旧態依然の体質からDXの必要性を実感していない
  • DX投資への予算の確保が難しい
  • デジタル人材の確保が困難
  • DXを推進するリーダー人材が不足

こうした大手と中小の”二極化”の状況が見られます。

したがって、全体として見れば、DXの遅れへの問題意識はまだ十分とは言えず、中小企業を中心に、更なる啓発と支援が求められる状況にあると言えるでしょう。経済産業省をはじめ、政府や業界団体から継続的な取り組みが必要不可欠だと考えられます。

4.の「DXの本格導入に向けた提言」の実現は、できそうでしょうか。
遅れる可能性も含めて、明るい見通しはありますか。

4.の「DXの本格導入に向けた提言」の実現については、一定の前進は見られるものの、完全な実現には至らず、一部で遅れが生じる可能性が高いと考えられます。明るい見通しと課題の両面があると言えます。

【明るい材料】

・大手企業を中心にDX推進への機運が高まっており、提言に沿った取り組みが進んでいる
・DX人材の育成に向けた教育機関の動きや、リカレント教育の拡充が進んでいる
・オープンイノベーション推進に向けた産学官連携が活発化している ・一部の規制緩和が進み、新しいデジタルサービスの創出が可能になってきた

【課題と遅れが生じる可能性】

・中小企業のDX推進が遅れぎみで、デジタル化や人材確保が追いついていない
・ベンダーロックインの問題から、オープンなシステム移行が思うように進まない
・デジタル人材の需給ギャップが依然として大きく、育成が追いつかない
・DXへの予算確保が思うように進まず、大規模な業務プロセス改革が困難
・セキュリティ人材の不足から高度な対策が十分にできない

総じて、提言の完全な実現は難しい見通しです。大企業を中心に一定の前進が見られる反面、中小企業を含めたDXの行き渡りには課題が残ると考えられます。
今後は、大企業と中小企業の「二極化」をできるだけ解消し、横断的なDXを推進していく必要があるでしょう。
完全な実現までには相当の年月を要し、一部で遅れが生じる可能性は十分にあると言えます。

ご指摘のように「2025年の崖」を乗り越える事ができなかった場合、どんな問題が起きる事が予想されますか。

「2025年の崖」問題を十分に乗り越えることができなかった場合、様々な深刻な問題が発生すると予想されます。

  1. システム障害の増加と事業継続への甚大な影響 老朽化したレガシーシステムからのシステム障害が多発し、企業の基幹業務に支障が出る。場合によっては事業継続リスクにもつながりかねない。
  2. コスト増大とシステム投資の遅れ 障害対応や延命治療的な対処に多額のコストがかかり、新規システム投資の予算確保が一層難しくなる。デジタル化の遅れが加速する。
  3. サービス低下と顧客離れ システム障害や機能の陳腐化により、製品・サービスの質が低下し、顧客が離れていく恐れがある。
  4. セキュリティリスクの高まり 旧式システムのセキュリティ対策が不十分なため、サイバー攻撃に曝されるリスクが高まる。
  5. 人材確保の難航 レガシースキルを持つベテラン人材が引退し、後継者不足が深刻化する。新規システムの移行作業に人手不足が生じる。
  6. 競争力の低下 デジタル化の遅れから新しいビジネスモデルへの対応が後手に回り、競合他社に大きく水をあけられる。
  7. 株主からの圧力増大 企業価値の低下が避けられず、株主から経営陣への圧力が高まる可能性がある。

こういった深刻な問題が複合的に発生すれば、企業の存続基盤すら揺らぐ事態に至りかねません。そのため、可能な限りの対策を行い、この「2025年の崖」問題への備えを怠ってはならないと言えるでしょう。

大丈夫か?

Claudeは現在2023年までの情報しか学習していませんから、現時点は2023年(10月ごろ)になります。
SIer業界全てを観察できる人はいないと思いますが、DXレポートに書かれている問題が克服されているようには、見えないですよね。
例えば、DXレポートには以下のような問題の指摘があります。明らかにSIer業界のことです。

ユーザ企業とベンダー企業との関係 (DXレポートより抜粋)

ユーザ企業からベンダー企業への丸投げ

我が国においては、要件定義から請負契約を締結するケースも少なくない。これは、ユーザ企業がベンダー企業に要件定義から丸投げの状態になってしまっており、そもそも何を開発するかをベンダー企業に決めてくれと言っていることと同じである。ベンダー企業もそのまま要望を受け入れてしまっている。
このような状態のままでは、アジャイル開発のようにユーザ企業のコミットメントを強く求める開発方法を推進しようとしても無理がある。まず、ユーザ企業は企業として何をやりたいかを示すことが重要である。要件の詳細はベンダー企業と組んで一緒に作っていくとしても、要件を確定するのはユーザ企業であるべきことを認識する必要がある。

ユーザ企業は、システム開発を内製で賄いきれず、ベンダー企業に業務委託するケースがほとんどである。その場合、「請負契約」や「準委任契約」が適用される。契約に当たっては、ユーザ企業とベンダー企業との間の責任関係や作業分担等を明確にしておく必要がある。

しかし、ユーザ企業自身が現行システムがどのくらい肥大化・複雑化しているのか分からず、現行の仕様も不明確であるにも関わらず、現行機能保証という条件でシステム刷新をベンダー企業に業務委託する場合が多い。
また、情報システム部門と事業部門や経営企画部門との十分な連携がないために、必要とする要件を明確化できないまま発注することもある。
その結果、でき上がったシステムがユーザ企業の意図したものと異なり、テスト工程で大きな手戻りが発生するために、開発費用が大幅に超過するとともに、納期が遅延することに伴う機会損失が生じることがある。
また、このようなトラブルにおける責任がユーザ企業とベンダー企業間で不明確になっているために、責任の押し付け合いにつながり、近年、紛争・訴訟へと発展するケースも増えている。この結果、損害賠償の発生やトラブルの解決に時間を要することなどから、さらに多額のコストが発生する。
我が国では、ベンダー企業がユーザ企業のことを理解しているという前提に立っているため、問題が発生するとベンダー企業に責任を押し付けやすいというベンダー依存関係がある。 こうした状況が、結果的に、ベンダー企業による既存システム刷新の提案を委縮させてる側面もある。

ビジネス・モデルの転換の必要性

これまで、ベンダー企業の多くは、受託事業を中心としたビジネス・モデルとなっていた。
しかし、大型開発の一巡、企業統合等による情報資産の共有、クラウド化の進展などから、今後、規模は縮小する見込みである。新たなビジネス・モデルの創造・既存システム最適化を進める上では、ユーザ企業もベンダー企業も単独では取り組めない課題に直面している。
そのため、ユーザ企業とベンダー企業とが新たな関係に立った仕事の進め方に取り組むことが必要となる。 そのために、顧客が提示する仕様に合わせたシステム開発の受託者から、新しいビジネスモデルを顧客と一緒に考えるパートナーへの転換が求められている。
しかし、現状においては、ユーザ企業の既存システムの運用・保守にかかる業務が多く、ベンダー企業の人材・資金を目指すべき領域に十分にシフトできないでいる。
このため、既存システムのメンテナンスに興味のない若い人材をはじめ、新たなデジタル技術を駆使する人材を確保・維持することが困難となっており、早晩、競争力を失っていく危機に直面している。

丸投げ体質が改善されるどころか、多重請負体制も改善されておらず、DXにはほど遠い状況に見えます。

Claudeの指摘では、大企業では改善が進んでいるところもあり、対策は二極化しているそうです。
システム内製化の動きは活発になってきているのは確かに感じられます。
ユーザー企業のなかで、IT人材を積極的に確保する動きを見せている会社が多くなりました。
ただ、SIer業界のなかの人達は、あまり改革に乗り気ではないようで、ウォーターフォールモデル開発に対する批判が少し出ただけで、感情的に反発しているようです。

やはり、Claudeの指摘するように、2025年の崖を克服できず、日本企業各社でシステム障害など様々な問題が噴出するのでしょうか。(最近もグ○コのシステムダウンで一部製品の出荷停止した事件が起きています)
先行き不安になります。

最後に、DXレポートの「ユーザ企業・ベンダー企業の目指すべき姿と双方の新たな関係」の部分を引用抜粋して、終わります。

ユーザ企業・ベンダー企業の目指すべき姿と双方の新たな関係

ユーザ企業・ベンダー企業間でトラブルが起こるリスクを低減し、アジャイル開発等の活用を踏まえ、両者の良好な関係のもとで、IT システム刷新やDX を進めることが必要である。

DXを通じてユーザ企業が目指すべき姿

ユーザ企業においては、既存システムの刷新が実行され、既存システム上のデータを活用した本格的なDXが可能になる。同時に、人材や資金等のリソース配分においても、既存システムの維持管理に投資されていたものを、新たなデジタル技術の活用による迅速なビジネス・モデル変革に充当することができるようになる。
これにより、ユーザ企業は、顧客、市場の変化に迅速・柔軟に対応しつつ、クラウド、モバイル、AI等のデジタル技術を、アジャイル開発、DevOps等で迅速に取り入れ、素早く新たな製品、サービス、ビジネス・モデルを国際市場に展開していくことが可能になり、国際市場での競争力を高めることが可能になる。
この結果、あらゆる産業におけるユーザ企業は、デジタル技術を駆使する”デジタル企業”となっていく。

ベンダー企業の目指すべき姿

ベンダー企業においては、これまで従来からの技術を基にしたシステムの維持管理のために投入されていた人材・資金が解放され、これらのリソースを最新のデジタル技術を活用したサービス提供に配分することができるようになる。
この際、ユーザ企業がデジタル企業となっていく中で、常に進歩し続ける最前線のデジタル技術の分野で競争力を維持し続けることが重要になる。
具体的には、ウォーターフォール型の開発も一部残るものの、ベンダー企業がリードすべき技術分野は、AI 等を活用したクラウドベースのアジャイル開発によるアプリケーションの提供や、ユーザ企業が行うアジャイル開発に対するコンサルティング、最先端技術の提供等が考えられる。その際に求められるスキルについては、前述のとおり以下のようなものが考えられる。


• 要件変更を前提とした対応ができるアジャイル開発を活用できる
• システムを小規模でモジュール化された機能に分割し、短サイクルリリースができ る
• API/Web API ベースの疎結合構造により小規模サービス化が進み、大規模なシステ ムのコストとリスクを大幅に低減できる


ベンダー企業の中には、既にこうした分野に特化した企業もいるが、一部の企業においては、引き続き従来技術に基づく受託業務に過度に依存した構造が見られる。
世界のソフトウェアベンダーがクラウドベースのアプリケーションの提供により急速に成長している現状に鑑みれば、今後、ベンダー企業においては、受託業務から脱却し、最先端技術活用の新規市場を開拓し、アプリケーション提供型のビジネス・モデルに転換していくことが必要である。
この際、例えば、ユーザ企業と協働しつつプロダクトを開発し、そのプロダクト開発における資産・知財をベンダー企業が保有し、他の顧客にも販売していく、又は当該ユーザ企業を含めて利用料を対価としてサービス提供するといったビジネス・モデルも検討していくことが必要と考えられる。
この場合、ベンダー企業にとってはノウハウや技術の蓄積につながるとともに、ユーザ企業にとってはベンダー企業に機能面での要望を示すことで委託契約に伴う課題を一定程度回避しながらスピーディーな改良・バージョンアップも期待できる。ベンダー企業がユーザ企業のデータを利用してプロダクトを開発する際は、契約時に知財等を整理しておくことが重要である。
なお、ベンダー企業の目指すべき方向は各社の経営方針により様々であり、”ベンダー企業”というカテゴリに属さないものとなっていく企業も出てくるものと考えられる。

ユーザ企業とベンダー企業の新たな関係

以上のように、ユーザ企業、ベンダー企業がそれぞれの役割を変化させていく中で、ユーザ企業とベンダー企業の間で新たな関係を構築していく必要がある。
また、それを踏まえつつ契約面においても、必要な見直しを行っていくことが求められる。

今後のあるべきユーザ企業とベンダー企業との関係

ユーザ企業は、クラウド、モバイル、AI、アジャイル開発、DevOps等の新たなデジタル技術や方法を最大限生かすためには、自社のリソースの充実に加え、他社とのパートナーシップを強化していくことが必要となる。
これに対し、ベンダー企業においては、変化の速いデジタル技術にキャッチアップすることによりユーザ企業に価値を提供することの重要性が今まで以上に高まっていく。この際、ユーザ企業はそれに対して価値を正当に評価する、といった関係を構築していくことが必要である。
その上で、ユーザ企業がビジネス上の価値向上につなげることができれば、プロフィットシェアもなされるといったWin-Winの関係を構築することが期待される。

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