C99

インライン関数
- inline キーワードが導入され、関数呼び出しのオーバーヘッドを減らせるようになりました。
可変長配列（VLA）
- 実行時に大きさが決定される配列を宣言できるようになりました。
```
int n = 10;
int arr[n];  // nの値に基づいて配列のサイズが決定される
```
複素数型
- complex.h ヘッダーが導入され、複素数の操作がサポートされました。
可変引数マクロ
- マクロで可変数の引数を扱えるようになりました。
```
#define debug(...) printf(__VA_ARGS__)
```
long long int 型
- より大きな整数を扱える型が導入されました。
柔軟な配列メンバー
- 構造体の最後のメンバーとして、サイズが未定義の配列を宣言できるようになりました。
// コメント
- 一行コメントがサポートされました。
ループ中での変数宣言
- for文の初期化部分で変数を宣言できるようになりました。
```
for (int i = 0; i < 10; i++) { /* ... */ }
```
restrict キーワード
- ポインタの最適化のためのキーワードが導入されました。
指定初期化子
- 構造体や配列の特定の要素を初期化できるようになりました。
```
int arr[6] = {[3] = 5, [5] = 2};
```

C11

これらの変更により、C言語はより安全で、表現力豊かな言語になってきています。

基本的な構造の維持
- C言語の核となる構文や概念（関数、ポインタ、構造体など）は大きく変わっていません。
- これにより、古いコードの互換性が高く保たれています。
段階的な機能追加
- 新しい機能は慎重に、そして段階的に追加されてきました。
- これは、言語の安定性と信頼性を維持するための戦略です。
他言語との比較
- C++、Java、Pythonなどと比較すると、Cの変化は確かに穏やかです。
- これらの言語は、オブジェクト指向プログラミングやジェネリックプログラミングなど、パラダイムシフトを伴う大きな変更を経験しています。

C99の影響
- 可変長配列、インライン関数、複素数型など、プログラミングスタイルに影響を与える機能が追加されました。
- これらの機能は、より柔軟で効率的なコーディングを可能にしました。
C11の重要性
- マルチスレッディングとアトミック操作のサポートは、現代のハードウェアに適応するための重要な一歩でした。
- これにより、Cは並行プログラミングにおいてより競争力を持つようになりました。
安全性と型チェックの強化
- C99以降、型チェックが厳格化され、より安全なコーディングが促進されています。
- C11では、_Static_assertのような機能が追加され、コンパイル時のチェックが強化されました。

プログラミングスタイルへの影響
- 新しい機能（特にC99の機能）により、より表現力豊かなコーディングが可能になりました。
- しかし、多くの開発者は依然として「古典的な」Cスタイルを好む傾向があります。
互換性の維持
- 新しい機能のほとんどはオプショナルであり、古いコードの互換性は高く保たれています。
- これは、組込みシステムや長期メンテナンスが必要なプロジェクトにとって重要です。
他言語との関係
- CはC++やRustなどの言語の基礎となっており、これらの言語との相互運用性が重視されています。
- しかし、これらの言語と比べると、Cの進化は控えめです。