2028年までにAIエージェント数は13億に(Geminiの解説)

生成AIに質問する

「2028 年までに企業の AIエージェント数は 13 億に達すると予想されています」という報道の背景をGemini3に質問しました。

https://blogs.windows.com/japan/2025/06/10/introducing-microsoft-365-copilot-tuning-multi-agent-orchestration-and-more-from-microsoft-build-2025/
上のURLの記事に「2028 年までに企業の AIエージェント数は 13 億に達すると予想されています」と書かれています。

 AIエージェント数は今後急速に増加する見込みなのですか。
 その数は、現在のSaaSその他のソフトウェアの数を凌駕するほど増加する見込みなのでしょぅか。
現在のAI専門家達の見通しを教えてください。

URLの記事にある通り、2025年5月にMicrosoftが公開したIDCの予測レポート(Microsoft委託)において、「2028年までに企業のAIエージェント数は13億に達する」という数値が示されています。

ご質問の3点について、現在の専門家や市場の見通しに基づき解説します。

1. AIエージェント数は急速に増加する見込みか?

はい、極めて急速な増加が見込まれています。 2025年時点では、多くの企業でAIエージェント(Copilotなど)の導入が始まったばかり、あるいは試験運用段階ですが、ここからわずか3年で13億という規模に達するという予測は、「従業員1人が複数のエージェントを使う」、あるいは「特定の業務(人事、ITサポート、経理など)ごとに専用のエージェントが配備される」時代への急激なシフトを意味しています。

2. その数は、現在のSaaS等のソフトウェア数を凌駕するのか?

「ソフトウェアの数(種類)」ではなく、「稼働数(インスタンス)」として比較すると、凌駕する可能性が高いです。

  • SaaS(種類)との比較: 世界のSaaS企業・製品数は数万〜十数万程度ですが、AIエージェントの「13億」という数字は、製品数ではなく「稼働しているエージェントの個体数」を指します。したがって、種類の数とは比較になりませんが、普及の密度としてはSaaS製品をはるかに上回るペースで企業の現場に浸透すると見られています。
  • SaaS(利用数)との比較: 現在、企業は平均して100〜130程度のSaaSアプリを使用していると言われます。今後、AIエージェントが普及すると、従業員数に匹敵、あるいはそれを上回る数のエージェントが社内で稼働することになります(例:従業員1万人に対し、各人専用+部署専用で1.5万のエージェントが稼働するなど)。

3. 現在のAI専門家たちの見通しは?

専門家たちは、単なる「数の増加」以上に、「ソフトウェアのあり方そのものが変わる」と予測しています。

  • 「アプリからエージェントへ」のシフト(SaaSの黒子化) Microsoftのサティア・ナデラCEOをはじめとする多くの専門家は、「人間がSaaSの画面(UI)を操作する時代」から、「AIエージェントが裏でSaaSを操作する時代」へ変わると指摘しています。

    • 現在: 人間が「経費精算ソフト」を開いて入力する。
    • 未来: 人間がエージェントに「経費申請しておいて」と頼むと、エージェントが裏でソフトを操作する。 これに伴い、SaaSは「人間が使う道具」から「AIが使うデータベース/機能」へと役割が変化し、表面上の主役はAIエージェントになります。
  • 「1人1エージェント」から「マルチエージェント」へ 2025年以降のトレンドとして、1つのAIが全てを行うのではなく、「コーディング担当」「マーケティング担当」「データ分析担当」といった専門特化したエージェント同士が連携(オーケストレーション)して仕事を進める形が主流になると予測されています。これが「13億」という膨大な数につながる要因です。

結論として: AIエージェントは、既存のソフトウェアを置き換えるというよりは、「ソフトウェアの新しいインターフェース(窓口)」として爆発的に増殖し、数としては従業員数やPCの台数に匹敵するインフラになると見込まれています。

「インスタンスの数が13億に達する見通し」なのは理解しましたが、 「AIエージェントの種類の数」に関する見通しはないのでしょうか。
あるのなら、種類の数はどのぐらいになる見通しなのでしょうか。

ご質問ありがとうございます。 結論から申し上げますと、「AIエージェントの種類の数」に関する全世界的な統一予測(例:「2028年までに〇〇万種類になる」といった数値)は、現時点では発表されていません。

しかし、MicrosoftやGartner等の公開データから、その規模は「数千万〜億単位の種類」へと爆発的に増加することが確実視されています。 現在のSaaS(ソフトウェア製品数)が世界で数万〜十数万種類程度であるのに対し、AIエージェントの種類はその桁をいくつも超える見通しです。

専門家の見解に基づき、その理由と規模感を解説します。

1. なぜ「種類」が爆発的に増えるのか?

最大の理由は、AIエージェントが「既製品を買うもの」から「現場で自作するもの」へとシフトしているためです。

  • SaaS時代(現在): 企業は「経費精算ソフト」「チャットツール」など、ベンダーが作った既製品(数万種類)から選んで使っています。
  • AIエージェント時代(2025年以降): 企業や個人が、自分の特定の業務(例:「A社向け営業メール作成係」「Bプロジェクト進捗管理係」)に合わせてカスタムエージェントを自作します。

この「自作(カスタム)」の流れにより、エージェントの「種類」は、世界の「業務プロセスの数」や「部署・チームの数」と同じだけ生まれることになります。

2. 具体的な数値データ(規模感の証拠)

予測値そのものではありませんが、その規模を示唆する重要な実績データがあります。

  • 1四半期だけで100万種類以上が誕生: Microsoftのレポートによると、Copilot Studioなどのツールを使って作成されたカスタムエージェントの数は、たった1つの四半期(3ヶ月)で100万を超えたという記録があります。これが年間、数年と積み重なれば、計算上、容易に数千万〜億の種類に達します。
  • 企業アプリの33%がエージェント化(Gartner予測): Gartnerは「2028年までにエンタープライズ・ソフトウェアの33%にエージェント機能が組み込まれる」と予測しています。既存のあらゆるソフトが「エージェント」という顔を持つようになります。

3. 結論:種類の見通し

現在のSaaSが「数万種類の製品を、多くの企業が共有して使う」モデルであるのに対し、 2028年のAIエージェントは「数千万〜億種類のカスタムエージェントが、それぞれの現場で固有の仕事をする」モデルになります。

したがって、種類の数においても、現在のソフトウェア(SaaS)の数を圧倒的に凌駕する(桁違いに多くなる)見込みです。

「カスタムエージェントを自作する」と言いますが、AIエージェントはそんなに誰でも簡単に自作できるものなのですか。

はい、誰でも驚くほど簡単に自作できるようになっています。 「プログラミング知識がないと作れない」という常識は過去のものとなり、2025年現在では「言葉で指示するだけ」「ファイルを読み込ませるだけ」で作成可能なレベルにまでハードルが下がっています。

なぜそれほど簡単なのか、そして「自作」とは具体的にどのような作業なのか、3つのレベルに分けて解説します。


1. なぜ「誰でも作れる」と言えるのか?

最大の理由は、「自然言語(日本語や英語)がプログラミング言語になった」からです。 これまでは「Python」や「Java」などのコードを書く必要がありましたが、現在はAI作成ツール(Microsoft Copilot Studioなど)に向かって、チャットで以下のように指示するだけでエージェントの骨組みが完成します。

指示の例: 「私のチームの新人研修用エージェントを作って。この『社内規定PDF』と『よくある質問集Excel』を読み込んで、新人からの質問に優しく答えてほしい。答えられないときは人事部の佐藤さんへの連絡先を案内して。」

これだけで、裏側でAIが自動的にプログラムを構築してくれます。

2. エージェント作成の「3つのレベル」

「13億」という数字の大半を占めると予想されるのは、以下のレベル1〜2のエージェントです。これらは一般の会社員が日常業務の中で作成します。

レベル1:インスタント・エージェント(所要時間:数分)

  • 誰が作る? 一般社員全員

  • 作り方: 特定のフォルダやファイルを指定し、「この資料について答えるAIになって」とボタンを押すだけ。

  • 用途: 「プロジェクトA専用エージェント」など。

    • 例:「SharePointにあるこのプロジェクトのフォルダ内の全資料を記憶したAI」をワンクリックで作成し、チーム全員で「あの件どうなってたっけ?」と質問攻めにする。

レベル2:ワークフロー・エージェント(所要時間:数十分〜数時間)

  • 誰が作る? 業務改善に熱心な社員(Excelマクロが得意なレベルの人)

  • 作り方: ノーコードツール(Copilot Studioなど)で、ブロックを並べるように設定する。

  • 用途: 定型業務の自動化。

    • 例:「顧客から『請求書』という言葉が入ったメールが来たら、自動で添付ファイルを読み取り、経理システムに入力して、下書き返信を作成するエージェント」を自作する。

レベル3:高度な自律エージェント(所要時間:数週間〜)

  • 誰が作る? エンジニアやIT部門
  • 作り方: 複雑なAPI連携や、厳密なセキュリティ設定を行う。
  • 用途: 企業の基幹システムに関わる重要な処理。これは従来通りの「開発」に近いものです。

3. 「簡単」だからこその注意点

このように作成自体はPowerPoint資料を作る感覚で可能になりますが、専門家の間では新たな課題も指摘されています。

  • 「野良エージェント」の乱立: 誰でも作れるため、品質の低いエージェントや、セキュリティ設定が甘いエージェントが社内に溢れかえるリスク(Excelファイルが散乱するのと同じ現象)。
  • 指示力の格差: プログラムを書く必要はありませんが、「AIに的確な指示を出す能力(プロンプトエンジニアリング)」によって、出来上がるエージェントの賢さに大きな差が出ます。

結論

AIエージェントの自作は、もはやエンジニアの特権ではありません。「新人に業務マニュアルを渡して仕事を教える」のとほぼ同じ感覚で作成できるため、これほどの爆発的な増加(13億)が予測されています。

今後、ビジネスマンの必須スキルは「Excelが使えること」から、「自分専用のAIエージェントを作って自分の分身として働かせることができること」へシフトしていくでしょう。

「レベル3:高度な自律エージェント」はエンジニアが開発するのですね。 それでも数週間以上というレベルですか。
従来のようにITエンジニアがチームで長期間かけてソフトウェアを開発することは無くなるのですか。

結論から申し上げますと、ITエンジニアがチームで長期間かけて行う開発業務はなくなりません。

ただし、その開発の「中身(対象)」と「役割」が劇的に変化することは間違いありません。 「数週間」というのは、あくまで「1つの機能を持つエージェント単体」を作る期間であり、企業全体のシステムを構築するには、依然としてチームによる長期的な取り組みが必要です。

なぜ従来の開発がなくならないのか、エンジニアの仕事がどう変わるのか、専門的な視点から3つのポイントで解説します。

1. 「エージェント」と「基盤システム」は別物

AIエージェントは魔法使いのように見えますが、実際には裏にある既存のシステム(データベースやAPI)を操作しているに過ぎません。

  • AIエージェント(利用者側の窓口): これの作成は高速化(数週間)します。
  • 基盤システム(裏側の仕組み): エージェントが操作するための「堅牢なデータベース」「安全なAPI(接続口)」「高速なクラウドインフラ」自体を作る作業はなくなりません。 むしろ、AIが大量にアクセスしてもダウンしない強固なインフラを構築するために、これまで以上に高度なエンジニアリングが必要になります。

2. 「コーディング」から「オーケストレーション」へのシフト

URLの記事タイトルにもある「Multi-agent orchestration(マルチエージェント・オーケストレーション)」こそが、これからのエンジニアの主戦場です。

従来の開発が「1行ずつコードを書いて機能を作る」ことだったとすれば、これからの開発は「数十〜数百のAIエージェントたちを指揮・監督するシステムを作る」ことに変わります。

  • これからの長期開発プロジェクトの例:

    • 「営業エージェント」と「法務エージェント」と「製造エージェント」が勝手に会話をして契約を進めると、間違った約束をするリスクがあります。
    • エンジニアチームは、これら複数のエージェントが暴走せず、矛盾せず、正しく連携するための「ルール作り」や「監督システム」を長期間かけて設計・テストします。
    • これは「人間(エージェント)の組織図や業務フローを設計する」のに近く、非常に複雑で時間がかかる作業です。

3. 「確率的」な挙動への対策(品質保証の難化)

従来のプログラムは「1+1」を計算させれば必ず「2」を返しましたが、AI(LLM)は時々「2くらいです」や「3かも」と曖昧な答えを返すことがあります(これを「確率的」と言います)。

銀行の決済システムや、人命に関わる医療システムなど、「99.9%ではなく100%の正確性」が求められる領域では、AI任せにはできません。 そのため、以下のような開発には依然としてエンジニアチームによる厳密で長期的な開発が必要です。

  • AIの出力を監視・修正するガードレール(防壁)システムの開発
  • 絶対に間違えてはいけないコア部分(従来型コード)の開発

結論:エンジニアは「建築家」から「都市計画家」へ

従来のITエンジニアが「家(ソフトウェア)を建てる大工・建築家」だったとすれば、これからは「自律的に動くロボット(エージェント)たちが住む都市全体を設計・管理する都市計画家」のような役割になります。

  • 単純なアプリ作成: AIや非エンジニアに置き換わる(開発期間は激減)。
  • 大規模で複雑なシステム全体像の構築: 依然としてエンジニアチームが長期間かけて行う(難易度はむしろ上がる)。

したがって、エンジニアの需要が減るわけではなく、「単純作業から解放され、より上流の複雑な設計に集中するようになる」というのが正確な見通しです。

必要なITエンジニアの需要は増えますか、それとも減りますか。
それはどのぐらいの規模になる見通しですか。

結論から申し上げますと、ITエンジニアの需要は「全体として増加し続ける」見通しですが、その中身(求められるスキル)は激変し、「深刻な人材不足」の状態が続くと予測されています。

単純なコーディング作業がAIに置き換わることで需要が減る分野もありますが、それを遥かに上回る規模で「AIを管理・統合するためのエンジニア」が必要になるからです。

具体的な規模と理由について、日本および世界の主要な予測データを基に解説します。

1. 規模の見通し(数値データ)

AIが普及してもなお、エンジニアの供給が需要に追いつかない状況が続くと予測されています。

  • 日本国内(経済産業省の予測): 2030年時点で、IT人材は約45万人〜最大で約79万人不足すると試算されています。 AIツールの活用で生産性が向上することを加味しても、ビジネスのデジタル化需要の拡大スピードの方が速いため、人手不足は解消されないという見解です。
  • 世界規模(IDC等の予測): 2025年までに世界のフルタイム開発者は数千万人規模で増加しますが、それでもデジタル経済の拡大には追いつきません。特に「AIエンジニア」「データエンジニア」などの高度専門職は、求人数に対して候補者が圧倒的に足りない状態が続くと見られています。

2. なぜAIがコードを書くのに、エンジニア需要が増えるのか?

「AIがプログラムを書くからエンジニアは不要になるのでは?」というのは直感的には正しそうですが、業界では「ジェボンズのパラドックス(技術の効率化が進むと、かえって資源の消費量が増える現象)」が起きると考えられています。

  • 開発コストの低下 → プロジェクトの爆増: AIによって開発が簡単・安価になることで、これまでは予算不足で諦めていた中小規模のシステム開発や、実験的なプロジェクトが大量に立ち上がります。 結果として、世の中で稼働するシステム総量が爆発的に増え、その「設計・監督・メンテナンス」をするエンジニアの総需要も増えます。
  • 「13億のエージェント」を支えるインフラ需要: 先述の通り、AIエージェントが13億個稼働するということは、それらが動くためのサーバー、通信、セキュリティ基盤を維持・管理する膨大な仕事が生まれることを意味します。これらはAIだけで完結できず、高度なエンジニアが必要です。

3. ただし、「減る仕事」と「増える仕事」の二極化が進む

エンジニアなら誰でも安泰というわけではありません。「需要の中身」が大きく入れ替わります。

職種・スキル需要の変化理由
初級プログラマー大幅減指示通りにコードを書くだけの作業は、AIが最も得意とする領域であるため。
テスター・デバッガー減少AIが自動でテストケースを作成し、バグを発見・修正する能力が高まっているため。
アーキテクト(設計者)急増複数のAIをどう組み合わせるか、システム全体の構造を考える仕事は人間にしかできないため。
AIエンジニア激増AIモデルの調整、学習データの整備、AI倫理の監修など、新しい専門領域。
セキュリティ専門家激増AIを悪用した攻撃や、AIエージェントの暴走を防ぐための高度なセキュリティ対策が必須になるため。

結論

ITエンジニアの需要は、今後も現在のSaaSブーム以上の規模で増加し、数十万人単位の不足が続く見込みです。

ただし、その役割は「コードを書く人(Writer)」から、「AIを使ってシステムを構築・監督する人(Director/Architect)」へとシフトしていきます。 これからのエンジニアには、プログラミング言語の知識以上に、「ビジネスの課題をどうAIに解決させるか」を設計する力が求められるようになります。

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